トリグリセリドの定量 大学実験レポート 参考例



今回は僕が実際に書いたトリグリセリドの実験レポートを公開したいと思います。ぜひ参考にしてください
目的
血清中のトリグリセリド量を求めること。
原理
サンプル中の脂質成分からケイ酸吸着によりリン脂質を除去した。そして熱アルカリ分解することによりグリセロールと脂肪酸に分解した。NaIO₄とグリセロール骨格が反応するため、アセチルアセトンで発色させてグリセロールの量を定量することによりトリグリセリド量を求めた。
試薬の調製
・イソプロパノール: H₂0 = 9:1
・シリカゲル(ケイ酸)、110℃で一晩( 2時間)加熱し、活性化させる。
・5%KOH 溶液
・水酸化カリウムをイソプロパノール:H₂0 = 2 : 3の混液に溶かす。
・メタ過ヨウ素酸ナトリウム液(0.003M)
・NaIO₄ 0.535g/dl(0.025M)水溶液を作っておき、 使用直前にここから、6mlとって、 イソプロバノール10mlを加えたあとにIN酢酸で50mlにfill upする。
・アセチルアセトン液
・2,4-pentandion 0.75ml
・イソプロパノール 2.5ml
・2M酢酸アンモニウム水溶液で100mlにfill up
トリオレイン基準液(300mg/dl)
トリオレイン300mg をイソプロパノールに溶かし100ml とする。



方法
1) 検液の調製
i) 血清50μlにイソプロパノール:H₂O=9:1を5ml加え、よく混和する。
ii) 0.2gの活性化シリカゲルを加え、タッチミキサーで1分間混和し、1500rpmで10min遠心分離する。
iii) サンプル上清2mlを試験管(S)にとる。
2) 基準液の調製
i) トリオレイン基準液50μlにイソプロパノール:H₂O=9:1を5ml加え、よく混和する。同様にイソプロ:H₂O=9:1のみの試験管も用意する。
ii) 0.2gの活性化シリカゲルを加え、タッチミキサーで一分間混和し、1500rpmで10min遠心分離する。
iii) 試験管A~Cに基準液系列(次表を参考にする)を作る。
試験管       A B C
血清相当濃度(㎎/dl) 0 150 300
上清(ml)        0 1.0 2.0
イソプロ:H₂O=9:1(ml) 2.0 1.0 0
3) けん化
試験管A~Cおよび(S)に5%KOH溶液を0.6ml加え、ビー玉でフタをして、Water bath(60~70℃、15min)で加熱してけん化を行う。この間にメタ過ヨウ素酸ナトリウム液を作る。



4) 発色
Water bathから試験管を取り出し、室温に戻したあと、メタ過ヨウ素酸ナトリウム液1mlを加えよく混合し、さらにアセチルアセトン液を0.5ml加える。混合後、water bath(50℃、30min、ビー玉でフタをする)で加熱発色する。
5) 測定
室温になってから、405nmにおける各管液の吸光度を測定する。それぞれの吸光度と検量線を作成し、血清中のトリグリセリド濃度を求める。
結果
     A① A②   B①   B②   C①   C②   普通① 普通② 肥満① 肥満②
吸光度 0.081 0.070 0.157 0.155 0.235 0.248 0.166 0.164 0.231 0.226
このグラフから、普通の血清中のトリグリセリド濃度を求めると、
吸光度の平均値0.165を使って、170(㎎/dl)
同様に、肥満の血清中のトリグリセリド濃度は吸光度の平均値0.2285を使って、250(㎎/dl)
課題
1. アセチルアセトン法の原理
サンプル中に脂質成分からケイ酸吸着によりリン脂質を除去する。そして熱アルカリ分解することによりグリセロールと脂肪酸に分解する。NaIO₄とグリセロール骨格が反応するため、アセチルアセトンで発色させてグリセロールの量を定量することによりトリグリセリド量を求める。



2. 普通と肥満の違い
男女ともに、BMI区分が低体重 (BMI <18.5)、普通体重 (18.5≦BMI<25)、 肥満 (BMI ≧25) になるにつれて 高血圧区分 (≧140mmHg ≧90mmHg)、(軽症+中等度+重症)の者の割合が高くなった。すなわち、低体重、普通体重、肥満における、高血圧区分の者の割合は、男性で18.7%、20.1%、30.7%、女性で 7.7%、13.6 %、30.1%であった。
3. トリグリセリドの体内での役割
トリグリセリドは、糖やアルコールが体内で代謝されてできたグリセロールに、3個の脂肪酸が結合したもの。皮下や内臓周辺に貯蔵され、必要に応じて脂肪酸に分解され、エネルギーになります。
4. 抗トリグリセリド血症とは
高トリグリセリド血症とは「血液中にあるトリグリセリドが高い」病気です。
トリグリセリドは人間が動くためのエネルギー源で、無いと生きていけません。
主に体の中で作られますが、食事からも取り込みます。
人間は不測の事態(飢餓など)に備えて、絶対に必要なものは溜め込むようにできていますが、
その溜め込むもののひとつが「トリグリセリド」です。
トリグリセリドは「動くためのエネルギー源」なので、運動すれば消費され、しなければ溜め込まれていきます。
このため、運動不足や食事過多といった生活を続けていると「高トリグリセリド血症」となります。
5. 吸光度は①と②では同じになるはずだがなぜ違いがでたか。
この実験では不可避な誤差を伴うため。つまり、何度か測定を行い、その平均をとるのが望ましい。
参考文献
https://www.mhlw.go.jp/toukei/kouhyo/data-kou18/data12/junkan-h12-5.pdf
www.jmi.or.jp/qanda/bunrui3/q_052.html www.脂質異常症ldlコレステロール.com/entry28.html https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1542909310