「教育」としての職業指導の成立―戦前日本の学校と移行問題
キャリア教育実践を支える基礎理論として内面重視の理論というものがあります。
まずはその中でもパーソンズの理論についてです。
この理論の1つ目は特性・因子理論でこれは人の特性に合わせた職業選択すれば、職業生活がうまくいくという適職選択の考え方です。
この考え方では自己理解、仕事理解、マッチングの3つが重要になります。
2つ目は生徒理解の方法で、これは1.資料収集2.自己分析3.意思決定4.カウンセラーによる分析5.職業分野の展望6.帰納的推理とアドバイス7.選択した職業への適応援助という手順で進められます。
3つ目は実践における留意点で、これは適職は選ぶだけのものではなく、自ら育てていくものという考え方です。
自分の特性に合わせた職業を選べばうまくいくという考え方は合理的ですが、この考え方により「どこかに自分に合う職があると思ってしまい、仕事選びが困難になってしまいます。
ですから、「見合った適職」に対する「育てる適職」がカギになってきます。
次にホランドの理論についてです。
この理論の一つ目はホランドの六角形です。
ホランドの理論の特徴は個人と個人を取り巻く環境の両方を、現実的、研究的、芸術的、社会的、企業的、慣習的の6つのタイプで表している点です。
個人の特徴を6タイプで評価し、職業の特徴も6タイプで示すことができれば、マッチングが可能になります。
その一致度が個人が持つ特徴とその個人が希望する職業やついている職業の特徴が合致している程度を示します。
2つ目はアセスメントツールです。
これは仕事や日常的な活動に対する興味や志向性を測定し、その結果をホランドの6タイプで表す仕組みです。
3つ目は実践における留意点です。
これは自己理解のツールと職業理解のツールが生まれたことにより職業世界を広げることが可能になりました。
他にもスーパーの理論やサビカスの理論というものがあります。
スーパーの理論ではキャリア実践について、サビカスの理論はキャリア構築理論であり、キャリアは一人一人「作り上げる」ものであるというものでした。
今回の講義ではキャリア教育に関する様々な理論について学びました。
職業を「選ぶ」だけでなく、適職を「育てる」という考え方に非常に関心を持ちました。
過去に読んだ本で科学的な適職というものがあったのですが、その中に好きなことを職にするよりも今の職を好きになるように努力する方がいいという考え方が書いてありました。
今回の講義にも通じるものがあるのではないかと感じました。