コレステロール定量のレポート 参考例



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目次

目的

コレステロールを定量する。

方法

1)検液の調製

i)血清50μlに塩化第二鉄酢酸溶液4mLを加えて混合し、10~15分放置すると不溶物質が生成する。
ⅱ)1500rpmで10min遠心分離し、淡黄色の液1.5mlを試験管(S)にとる。

2)標準液の調製

試験管A~Cにコレステロールの標準液系列を作り、それぞれ1.5mlを別の試験管にとる。
試験管          A B C
血清相当濃度(㎎/dl)   0 200 400
コレステロール標準液(ml) 0 0.1 0.2
酢酸(ml)         0.25 0.15 0.05
精製水(ml)       0.05 0.05 0.05
鉄・酢酸溶液(ml)     3.75 3.75 3.75

3)発色

試験管A~Cおよび(S)をやや斜めに持ち、硫酸1.0mlを管壁に沿って加え、タッチミキサーで十分に混合し静置する。

4)測定

室温になってから、560nmにおける各菅液の吸光度を測定する。それぞれの吸光度と、血清相当濃度との関係について検量線を作製し、血清中のコレステロール濃度を求める。

結果

  A①   A②   B①   B②   C①   C②   普通① 普通② 肥満① 肥満②
吸光度 0.011 0.008 0.419 0.436 0.831 0.880 0.114 0.135 0.365 0.375
グラフより、普通のコレステロール濃度は50(㎎/dl)、肥満のコレステロール濃度は180(㎎/dl)となる。


課題

1. ザックヘンリー法の原理

血清を塩化第二鉄酢酸溶液と混合すると、コレステロールは酢酸溶液中に抽出され、タンパク質は不溶性となって沈殿する。濾液に硫酸を加えると、コレステロールは、塩化第二鉄の酸化作用と硫酸の脱水作用によって縮合し呈色物質を生成する。560nmにおける吸光度はコレステロール濃度に比例し、エステル型も全く同じ吸光度を示すので総コレステロールの定量が行える。

2. 普通と肥満の違い

男女ともに、BMI区分が低体重 (BMI <18.5)、普通体重 (18.5≦BMI<25)、 肥満 (BMI ≧25) になるにつれて 高血圧区分 (≧140mmHg ≧90mmHg)、(軽症+中等度+重症)の者の割合が高くなった。すなわち、低体重、普通体重、肥満における、高血圧区分の者の割合は、男性で18.7%、20.1%、30.7%、女性で 7.7%、13.6 %、30.1%であった。

3. コレステロールの体内での役割

コレステロールは、たんぱく質や炭水化物と共に3大栄養素と言われる脂質の一種です。すべての動物が保有し、後述するように生体内で重要な働きをしています。
 コレステロールは、今から約200年前に当たる1785年に人の胆石の中から初めて見いだされました。1814年に、シュヴルールによって胆汁(ギリシャ語でコレ)の固形化したもの(ステリン)、すなわちコレステリンと名付けられました。英語ではコレステロールと言います。発見のいきさつから良いイメージは持たれていなかったのです。その後、ウサギにコレステロールを多く含む餌を与え続けると動脈硬化を起こしたという実験結果が発表されるに及び、コレステロール悪玉説はいっそう広まっていきました。
 しかし、コレステロールは生体に不可欠な物質であり、生体内で重要な働きをしていることが明らかにされ、人々のコレステロールに対する認識は近年ずいぶん変わってきました。
 人間の体内には、100gから150gのコレステロールがあり、様々な働きをしています。まず最初に挙げられるのは、細胞膜の構成成分の1つであるということです。細胞はあらゆる生物の基本単位で、似たような細胞が組織を構成し、組織が集まって器官となります。それらが有機的に結びついて1個の体を作り上げています。人間の体の細胞の数は、60兆個にものぼると言われます。細胞膜は、細胞内部を外部から保護し、独立した領域を作り上げているのです。とは言っても、壁のように細胞の外部と内部を完全に隔ててしまっているのではなく、細胞膜を通して物質やエネルギーを出入りさせています。このような機能を持つ細胞膜は、リン脂質とたんぱく質、そしてコレステロールから出来ているのです。
 そのほかにもコレステロールは、体内で重要な働きをしています。体内にあるコレステロールの4分の1は脳に存在します。そしてその大部分は、神経細胞の軸索を包み、保護している鞘、ミエリン鞘にあります。ミエリン鞘は、脳から体の各部分に神経情報が伝達されるとき、情報がほかの回路に迷い込むことなく正しく伝えられるように、神経線維(軸策)を保護しているいわば絶縁体なのです。
 コレステロールのさらなる役割として、ホルモンの原料になることが挙げられます。ステロイドホルモンと呼ばれるホルモンは、副腎皮質、精巣、卵巣、胎盤でコレステロールから作られます。人間の副腎は重量がおよそ12gの小さな臓器ですが、体内で最もコレステロールの含有率の高い臓器です。副腎は皮質と髄質に分かれており皮質の部分で50種類にも及ぶホルモンが作られています。これらは副腎皮質ホルモンと呼ばれています。
 精巣で作られるステロイドホルモンはアンドロゲン(男性ホルモン)、卵巣で作られるのはエストロゲン(女性ホルモン)、卵巣の黄体や胎盤で作られるのはプロゲステロン(黄体ホルモン)です。また、コレステロールは胆汁酸の原料にもなっています。胆汁酸は肝臓で作られる胆汁の成分で、脂肪の消化にかかわっています。脂肪は十二指腸で膵臓から分泌される消化酵素の「リパーゼ」によって消化されますが、胆汁酸は脂肪を水に溶けやすくしたり、リパーゼを活性化したりして、脂肪の消化吸収を促進しています。
 このようにコレステロールは、私たちが生きていく上でなくてはならない物質なのです。

4. 高コレステロール血症について

血液中の総コレステロール値が高くなる脂質異常症。体内でのコレステロール合成・代謝異常、コレステロールを多く含む食品の摂り過ぎなどが原因とされる。遺伝的要因が強いものと生活習慣など環境要因の強いものがある。現在は、総コレステロール値よりも狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患との相関性が高いLDLコレステロール値が脂質異常症の診断基準として重視されている。

出典

kumamoto.lin.gr.jp/shokuniku/eiyochisiki/cholesterol/cholest.html
https://kotobank.jp/word/高コレステロール血症-495193 www.jmi.or.jp/qanda/bunrui3/q_052.html
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/ac/Cholesterol-3d.png