新時代のキャリア教育と職業指導: 免許法改定に対応して
1974年、高校が新設され、進学率は90%超えの「国民的教育機関」になり、受験競争が激化するようになったそうです。
この頃、業者テストが問題となりましたが、政府は具体的な対策案を出せませんでした。
しかしながら、1976年に文部省が正式に業者テストに対する対策を打ち出し、「進路指導において、安易に業者テストに依存してはならない」「業者テストを授業時間内に行うのは教育活動に支障を来し望ましくない」「教師と業者の癒着といった疑念を招く行為は自粛する」ということを求められました。
この1970年代は高等学校進学率上昇と受験競争の過熱の弊害として授業妨害目的の登校、「落ちこぼれ」、校内暴力・登校拒否・不登校、非行などが急増しました。
この対策として偏差値だけで進路を決定しないような通知が行われました。
その後、業者テストの追放への動きが激化し、「業者テスト」結果の私立高への提出禁止などが指示されるようになりました。
その後、中学校は定期テストや実力テストで対応し、偏差値が分からないようにして、業者は学校外で会場テストを実施するようになりました。
結局、学校内から学校外へ場所を移しただけになりました。
次に大学進学についてです。1960年ごろから大学進学希望者は激増するようになりました。
また、同時に大学進学をめぐる受験体制の弊害が生まれるようになりました。
睡眠時間を削っての受験勉強、大学受験のストレスからの校内暴力や窃盗、就職希望者と進学希望者、偏差値の高い大学とそうでない大学を目指す人たちの間の友人関係の悪化、優越感・劣等感、塾、参考書、予備校費などの保護者の負担増などの問題が生まれました。
また、国民の進学意欲の高まりによって、地域間格差、企業規模格差、学歴別格差などが大きく拡大しました。
この進学競争はその後も続いたが、その中で生徒の職業観、勤労観の喪失が問題となった。
具体的に言うと就職による環境の激変や若者の職業人として基礎的資質・能力の低下などがあげられる。
これらを踏まえて、キャリア教育の推進が本格化するようになりました。
今回の講義で受験競争の弊害やキャリア教育が推進されるようになった背景がよくわかりました。
私も受験競争にもまれながらここまで来て、うまくいかないこともありました。
しかしながら、受験だけで人生は決まらないので失敗してもそのあと再度頑張ればいいと思っています。
その点でも将来の職を考えるキャリア教育が勉強と並ぶくらい大事になってくると思います。
将来的にキャリア教育のさらなる発展が必要になってくると思います。